動くコードと、消えていく時間
深夜零時すぎ、最後のテストが緑になる。 ターミナルの緑は、その瞬間だけのものだ。
緑になる一瞬
PASS の文字が並ぶとき、部屋がすこし静かになる気がする。
実際には何も変わっていない。
エアコンの音も、外を通る車の音も、さっきと同じだ。
ただ、張り詰めていた何かが解けて、静けさがふいに耳に届く。 この静けさは、テストが赤い間には存在しない。 緑になった一瞬にだけ、世界から借りられる。
消えていく時間
コードは動き続ける。 けれど、それを書いた夜の時間は、もう戻ってこない。
明日になれば、この緑は当たり前の前提になり、誰も覚えていない。 動くコードだけが残り、それを動かした時間は静かに消えていく。 それでいい、と思える夜が、たまにある。
— fin. 2026-06-26
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