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1on1で「最近どう?」と聞くのをやめた

「最近どう?」は便利な問いだ。 何にでも使えて、どこにでも置ける。 だからこそ、私は数年それを毎週の1on1の冒頭に置き続けていた。

開いた問いは、誰の負担になるのか

ある日、面談の録音を聞き返していて気づいた。 「最近どう?」のあとに、決まって三秒の沈黙がある。 その三秒で相手がやっているのは、考えることではなく「どの粒度で答えれば外さないか」を探ることだった。

問いが開きすぎていると、答える側は範囲・粒度・トーンを全部自分で決めなければならない。 本来こちらが負うべき設計を、まるごと相手に渡していたわけだ。

NOTE: 開いた問いが悪いのではない。開いた問いを「準備せずに」投げることが、相手への丸投げになる。同じ言葉でも、文脈が温まった後半に置けば意味が変わる。

具体的なフックひとつに替えてみた

翌週から、冒頭を一文だけ変えた。 「先週レビューで詰まってたあのPR、その後どうなった?」

たったこれだけで沈黙の質が変わった。 相手は範囲を探さなくていい。 答える対象がもう目の前にあるから、最初の一言が「事実」から始まる。 事実から始まると、感情や課題はその後ろに自然とついてくる。

沈黙が「考える時間」に変わる

面白いのは、沈黙そのものが消えたわけではないことだ。 相変わらず三秒くらいの間はある。 でも中身が違う。 以前は「どう答えるか」を探る沈黙、今は「あれは結局なぜ詰まったんだっけ」と考える沈黙になった。

良い沈黙と悪い沈黙がある、と初めて実感した。

問いは準備するもの

結局これは 問いの立て方 の話に尽きる。 即興で投げられる問いは、たいてい相手に丸投げしている。 事前に一つだけ、相手の文脈に根ざしたフックを用意しておく。 それだけで面談の最初の五分がまったく別物になる。

マネジメントの技術の多くは、こういう地味な前処理に宿っているのだと思う。

#1on1 #マネジメント

— fin. 2026-06-26
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